クスコ旅行 チンチェーロ・モライ遺跡・マラスの塩田

この日は午前中と午後に分けて、2つのツアーに参加するという強行スケジュール。朝8時半に旅行代理店集合となっていたが、相変わらずのペルー時間(笑) 他のお客さんをピックするのにも手間取って、アルマス広場を出発したのは約1時間後だった。

小雨が降る中、まずはクスコの北西約28㎞にある「Chinchero(チンチェーロ)」へ。ツアー最初の場所が標高3780mだなんて、辛すぎる~!(クスコ市内より上なのよ。)さすがの母も、他の客たちのペースでは歩けず。私たちだって、むっちゃ辛かったよぉ。

チンチェーロの教会

1480年ごろに造られたというインカ皇帝トゥパック・ユパンキの農場屋敷の上に、スペイン副王が建設を命令した由緒ある教会が建てられている。教会の中は撮影禁止、見事な黄金の教壇は必見。また屋敷の石壁は、内側にほんの少しだけ傾いている。これはインカの地震対策なのだとか。教会内部から見ると、インカの石壁とそれに続く木壁(←ここからスペイン人による建築)の角度が違っていて、大変面白い。

チンチェーロの石畳

チンチェーロは日曜市で有名なところ。教会のまわりにもたくさんのお土産屋さんがあったが、この日は雨で人も少なく、寂しいばかり。インカ時代に造られた道には、雨水を排水するための溝がある。それに比べ、現在の建築と言ったら… アドベだもんね。今、ちょうど記事を書くために色々調べているのですが、インカの建築技術の高さに改めて感心しつつ、現代建築のいい加減さや脆さについて、溜息が出てしまうのですよ。

チンチェーロを見学した後、バスは一路モライへ向かう。ここはすごーく行ってみたかったところなので、ドキドキワクワク♪そして期待を裏切らない、素晴らしいものだった。

「Conjunto Arqueológico de Moray/モライの農業試験場」 (標高3500m)

深さ約45m、畑の一段の高さ約1.8m。最上層と最下層では温度差があるため、様々な気候や温度を想定して試験的に農作物が栽培されていたのではと考えられている。段々畑を移動しやすいよう、きちんと階段が造られている細やかさもインカらしい。

雨季の今、緑に覆われたモライはとても美しかった。現在はデモンストレーション用として一部分でのみ植物を栽培しているが、一説によると、この円形農場試験場内では約20種類もの微小気候が生み出されたそうだ。温度計もなかった時代に、どうやって比較検証したのか?

他に、こんな小さなものも。ひとしきりガイドの説明が終わると、体力自慢のペルー人や欧米人は一番下まで降りていった。でも私たちは断念。だって絶対集合時間までに登ってこれないもーん!

豆粒のように小さくなっていく彼らを、のんびりと高みの見物。ひや~!走ってる奴がいるよ~!

ここにも豪雨の影響が。でも段々畑の石組は、まったく崩れていなかった。さすが!

1時間ほどモライでのんびり過ごし、午前中のラスト、マラスへ。私たち夫婦は2004年に一度訪れたことがあったが、ぜひ母にも見せたくて。でも塩田まで下って行く道幅はとても細く危険なため、この数日前までは観光できなかったらしい。ラッキー♪

マラスの塩田(雨季)

真白なはずの… Salineras de Maras(マラスの塩田)雨季だから仕方がないけど、いやー、茶色い塩田ってのはどうもイマイチ(笑)太古の昔、海底から隆起してできたというアンデス山脈。だから、地層のどこかに塩分が含まれていてもおかしくはない。

製塩作業は乾季のみ。今は観光と昨年の乾季に作った塩やお土産を売っているだけ。マラス村のいくつか決まった家族が、代々世襲制で管理しているのだとか。「私も塩田を作りたーい」と言っても、ダメなわけですよ。塩水はタダなのにね(笑)

湧き出る塩水を自分たちの塩田に引き、天日で乾燥させ集めるのは、大変な重労働だろう。ちなみに、上層部の一番不純物のない部分が食用、下層部に行くに従って沈殿した不純物や土が含まれるので、動物の餌なんかにするそうだ。

マラスの塩田 (2004年)

こちらが2004年に見た乾季のマラス。真白!そして当時は1㎏1ソルだったお塩も、今は500g2ソルと4倍に上がってます。とほほ。

これにて午前の部、終了!

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