初の女性市長 赤線の創設を提唱

昨年10月に行われた選挙で激戦の末リマ市初の女性市長に選ばれたスサナ・ビジャラン。就任後あまり目立った活躍のない彼女ですが、今回リマに公娼エリア、いわゆる「赤線」地帯を創設するというプランを提唱、世間の耳目を集めています。

赤線現在このような場所はリマ市内に点在していますが、市長曰く非衛生で組織暴力や麻薬売買の温床となっているため、市政の介入によりこれらを一箇所に集約して管理したいとのこと。しかしながらどの地域に「赤線」を設けるかは未定であり、周辺住民との事前合意も必要となります。

また、市長は山岳地方やアマゾンから都会に上京してくる若い女性が売春に関わるケースを阻止していきたいとも語っています。

一方、前リマ市長のカスタニェーダは「家の前が赤線に指定されたらどうする」と反対の意向を明らかにしています。女性省大臣も、現状の問題が解決されるとは思わない、とこの案に難色を示しています。また、リマ市に隣接するカリャオ特別州の司教も、公娼地域の創設には懐疑的な意見を述べています。

売春の統制とその必要性には二律背反する側面があり、それはいつの時代も論争の種となり、かつ時の政治家の頭を悩ませるものでもあります。市長は6月2日にこれら性産業に従事する労働者との対話を行う予定です。リマの赤線制度、今後の成り行きに注目したいと思います。