歩行者に罰金 今月15日から取締り開始

ペルーでは、交通事故防止のため歩行者に罰金を科すという画期的な交通法規が施行され、今月15日から実際に取締りが開始されます。

この法律の具体的な運用について、ペルー交通警察(DIVPOLTRAN)は次のように広報しています(解説は筆者)。

横綱クラス:罰金108ソレス(約3240円)】

酔っ払った状態で交通法規を遵守せず車道を横断した場合
横断歩道のない場所を渡ってはいけません。また、横断歩道があっても、赤信号で横断してはいけません。これを怠ると、どこからともなく警官が近づいてきて違反切符を切られてしまいます。さらに、運悪く酔っ払っていた場合には最高額の罰金が科されます(アルコール検査を行うか否かは不明)。飲んで食べて歌って踊って楽しんだ後は、必ずお店の前でタクシーを拾うよう心がけましょう。歩いて帰ろうとするあなたは警官に監視されています。タクシー代をケチると大変な目に会うかも知れません。

 

【大関クラス:罰金72ソレス(2160円)】

歩道橋を使わなかったり、赤信号で車道を横断した場合
ペルーで赤信号を無視するととても危険です。たとえ信号が青であったとしても、ミクロやコンビが容赦なく突っ込んで来るので注意しましょう。また、歩道橋がある場合は遠回りしてでもそれを利用してください。歩道橋が設置されているような道路では、まず車は止まってくれないものと心得ましょう。

警察官の指示に従わなかった場合
警官が交通整理を始めると渋滞がますますひどくなるのはリマのお約束ですが、それでも交通警察官の指示には必ず従いましょう。

横断禁止の場所を横断した場合
横断が禁止されている場所はドライバー側も周知しています。ドライバーはこれを減速や停車の必要がない場所と解釈していますので、歩行者は十分ご注意ください。

サイレン吹鳴中の緊急自動車を優先しなかった場合
救急車やパトカー、消防車がサイレンを鳴らして近寄ってきたら、通り過ぎるまでじっと我慢してください。緊急自動車自体が渋滞に巻き込まれて動かない場合もよくありますが、それでもサイレンが通り過ぎるまで道路を横切るのはあきらめましょう。

道路標識を損壊した場合
標識はみんなのものです。新しい銃を手に入れても、試し撃ちの標的にしてはいけません。また、引き抜いて鉄屑屋に売るのもご法度です。

 

【関脇クラス:罰金27ソレス(約810円)】

急に車を止めようとした場合
たとえ道路沿いに自宅があっても、バスは停留所まで出向いて乗り降りしましょう。また、仁王立ちでタクシーを止めたりしないようにしましょう。

動いている車から降りようとした場合・動いている車に乗ろうとした場合
リマのコンビやミクロは走行中でもドアを平気で開けるので、バスが動いていないことを確認して乗降してください。

交通標識を広告目的で使用した場合
ペットが行方不明になっても標識にチラシを貼ってはいけません。

交通を妨げ、利用者を危険にさらすような物を道路に投げ捨てたり放置した場合
牛や羊の放牧は幹線道路から離れた場所で行うようにしましょう。

 

【小結クラス:罰金18ソレス(約540円)】

歩道の境界や縁石付近を歩いた場合
バランス感覚の訓練が必要でも、縁石に乗ったり白線上を歩いてはいけません。また、リマには一人分の幅しかない歩道もたくさんあるので、人とすれ違う際は歩道の境界からはみ出さないよう細心の注意と工夫が必要です。

走行中の車両にしがみついた場合
バスが満員になったら、無理をせず次のバスを待ってください。学校や会社に遅刻しそうになっても、カンフー映画の真似をしてはいけません。ただし、「車両外部の何かにしがみついた場合」と明記されているので、両手さえ空いていればハコ乗りは可能なようです。

車両の左側から乗降した場合
この法律はあくまでも歩行者が対象なので、これは後部座席の乗客に適用される規則なのでしょう。ドライバーが常に助手席側のドアから乗り降りしなければいけない、ということではないようです。尚、運悪く違反切符を切られた場合、7日以内の納付は割引対象となるそうです。また、リマの全ての道路に横断歩道が設置されているわけではないということは交通警察も承知しており、これを考慮した上で罰則を適用して行くと述べています。