ペルー的盛り付けセンス

ここ最近、某社の仕事でペルー料理の写真を撮りためている。今回のオーダーはなんと“真俯瞰”、真上からというものだ。料理の写真を撮るのが好きな人は分かるだろうが、真上からというのはとても厄介。自分の影が入ったり、斜めになったり、一部にスポットを当てることもできないからシズル感も出しづらい。だいたいレストランに行って“立って”撮るのは、ちょっと落ち着かないものだ。もちろん仕事だから私はいいが、例えば同伴してくれた人には目立つし、待たせるし、大変申し訳ないことになる。

先日もある店にでかけた。私の仕事をよく理解してくれている友達は、「いいよ、いいよ、好きなだけ撮って」と言ってくれる懐の深い人だ。おまけに「こっちのほうが明るいんじゃない?」と座席まで変わってくれたり。うぅ、まったく申し訳ない。

さて、まずは定番のセビーチェをオーダー。ところがとっても微妙な盛り付けでやってきた。もともとそういうセンスなのか、「写真に撮るからきれいに盛ってきてね」と言われて緊張したのかは知らないが、なんでこうなるのか意味不明。四角い皿の真ん中にセビーチェ、それはいい。でもなぜ4つの付け合わせを四つ角にバラバラに置いてしまった?しかも角にレタス1枚って、なんじゃこりゃ。でもあまりいじると、真ん中のセビーチェが崩れてしまう。これもペルー料理の「自然な姿」だと思って、とりあえずパチリ。でもこれは撮り直しを言われるかもしれないなぁ。

もう1つのオーダーの、タクタク・コン・マリスコスがやってきた。私のイメージではタクタクの横にサルサ・デ・マリスコス…だったのだが、全く違う。無駄に長い皿にででーんとタクタクが盛られ、全面を覆うようにサルサがかかっていた。主役のタクタクがまったく見えないという、残念すぎる状態だ。これって撮影云々じゃなく、シェフのセンスの問題だよね。普通にまずそうでしょう、これ。

がびょーんという顔の私を見て、友達が「半分に切ってちょっとずらしたら、タクタクの断面が見えるんじゃない?」と提案してくれた。うん、ありがとう!とりあえずそうしてみよう!と、モッソに依頼。「こうやって半分に切ってね」と手でジェスチャーして渡したのに、出てきたのがこのトップ画像!ぎゃーん!半分って言ったのに4つ切りにされてるー!細長い料理を細長く切るって、一体どんなセンスなんだー!!

唖然とする私たちの表情に気づかないのか、「Esta bien? 」と嬉しそうに聞くモッソ。友達は無言だったが、私は思わず「No!」と言ってしまった。えーん、もう100%撮り直しだよ…(涙)

と、こんな状態が1度や2度ではなく、なかなか仕事が進まない状況だ。テイクアウトして家で盛り付けたりもするのだが、するとなぜか微妙に「ペルーらしさ」に欠けてしまう。ペルー人にしか醸し出せないあの絶妙な盛り付けのセンスに、翻弄される日々である。

あわせてお読みください