天皇誕生日祝賀レセプション

先日、天皇誕生日の祝賀レセプションがリマの日本大使公邸で盛大に催された。世界各地の在外公館で祝われるNational Day。政府要人や外交関係者、駐在員たちが一堂に介し、今上天皇の健康と安寧を願いつつ、各国との友好を深める。日系人協会のお歴々や一世のおじいちゃん、おばあちゃん、在住邦人も招待され、ともにこの日を祝った。

レセプションは夜7時すぎに開始。ペルー・日本両国の国歌斉唱と株丹達也駐ペルー日本国大使による開会の挨拶、そして発泡にごり酒で乾杯!会場はたくさんの招待客で溢れ、貴重な日本酒とさまざまな日本料理に舌鼓を打った。テーブルに並んだお寿司や数々の和食、名物エビの天ぷらや蕎麦は、日本文化を理解してもらう最良のツール。一口頬張るだけで、誰もが日本ファンになること間違いなしだ。満足な食事は来場者間の交流を活性化させる。あちこちで名刺交換が行われ、ここからまた新しい関係が始まっていく。

今年は新米も振舞われた。丁寧に炊きあげられたお米はふっくらつやつや、そして甘い!日本人はもとより、お米好きのペルー人たちにも好評だった。あんなに美味しい塩むすびを食べたのはいつ以来だろう。日本酒片手に白ご飯。お米の国に生まれたことを誇りに思う。

今年は在ペルー日本大使公邸占拠事件から20年を数える節目の年だ。招待客の中には、当時人質として捕らえられた人も少なからずいた。日本のマスコミも取材に来ていたようで、何人かの人がインタビューに答えていた。

あの事件以来、警備上の問題から日中に行われてきたこのレセプションが、夜に開かれたことは本当に感慨深い。多くの犠牲と引き換えに終了したあの一件を、過去の出来事としてしまうのはまだ早いように思っていたが、確実に時は過ぎているのだ。あと数年もすれば、事件後に生まれた若手がこのレセプションに参加し始めるだろう。そして新しい交流が始まる。末筆ながら今後の更なる日秘友好を願ってやまない。