五嶋龍 ヴァイオリン・リサイタルinリマ

只今リマで開催中の日本文化週間。そのメインイベントとも言えるコンサートが昨夜行われた。天才ヴァイオリニスト五嶋龍によるリサイタル。オーケストラはペルー国立高等音楽院交響楽団、指揮は同楽団やペルー国立交響楽団の音楽ディレクターも勤めるMarnix Willem Steffen

その演奏をどう表現したらいいのだろう。響く、歌う、弾ける、跳ねる、踊る、呻る、叫ぶ、怒る、悲しむ、笑う、そして語り掛ける。五嶋龍が奏でるメロディが赤紫色の軌跡を描いているイメージがパンフレットに印刷されていたが、まったく大げさではない。本当に音が眼に見えるようだった。

オーケストラと合わせた前半。舞台が狭いこともあって少々弾きづらそうに見えたが、ソロパートではオーケストラを凌駕する迫力を見せてくれた。楽団と一緒に弾いている時ですら彼の音だけが特別な輝きを持て聞こえてくるのだから、まったく驚きを隠せない。歌唱力のある歌手の歌声は大勢で一緒に歌っていても特別響くものだが、どうやらヴァイオリンもそうらしい。

後半はピアノとのデュオ。誰もが知っている定番の曲だが、知っているだけに彼の特別さを感じずにはいられなかった。それにしても本当に自由に、そして楽しそうに演奏する。彼のコンサートは世界各国どこでも満席だそうだが、それは技術的なことはもちろん、彼の人柄にもあるのだろう。演奏が終わる度にスタンディングオベーション。こうした貴重な機会を作ってくれた主催者に感謝。

前日にはリマ日本人学校で子供たちに演奏を聞かせるなど、ボランティアにも熱心な彼。彼のオフィシャルサイトには「ニューヨーク市議会や同市教育委員会の協力のもと『五嶋龍 “Excellence In Music”(音楽優秀賞)』を設立し、2010年より毎年同市内公立高校生に奨学金を授与するなど教育の分野にも力を注いでいる」とあった。現在弱冠(と言うにはあまりに才能豊かで経験豊富だが)26歳というこの天才、その器の大きさは計り知れない。

★演目★

ヴェルディ 運命の力- 序曲
パガニーニ ヴァイオリン協奏曲第1番ニ長調 作品6
マスネ タイスの瞑想曲
クライスラー 愛の喜び
ヴィエニャフスキ 創作主題による華麗なる変奏曲 作品15
アンコール

 

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