ペルー人的 日本の歩き方

ペルーの有力紙エル・コメルシオ電子版の掲載記事から、ペルー人写真家兼旅行ライターの視点から見た「経済的な日本旅行」を以下紹介。

日本をいかに安く旅するか

サムライ、カラテ、ゲイシャの国をとっても見てみたいんだけど、ニッポン旅行は破産への片道切符じゃないかってビクビクしてる君にいいニュースだ。日本の旅行は思ったほど高くない。

日本へ行くまでは僕もひと財産使い切ってしまうんじゃないかって心配してたんだけど、すっからかんになって身も心も売るなんてことはなかった。今年4月の16日間の日本滞在をレポートするよ。本当のところ、日本はインドやタイみたいにチープな旅行先じゃないけど、ちょっとした計画と準備があれば、例えばアメリカのような他の先進国なんかよりもっと安く旅することができるんだ。

– 交通手段 –

日本は世界で最も鉄道網が整備された国のひとつ。(旧)国有鉄道JRの路線は田舎から都会まで全国を網羅し、さらに足りない部分は私鉄がカバーしてる。バスも電車も一様に乗車料金は高いけど、幸いにも予算を節約できるいろんなチケットがあるんだ。

もし日本を旅するなら、まずは日程を決めて「ジャパンレールパス」を購入すること。このチケットを使うと7日間(US$246)、14日間(US$396)、21日間(US$507)それぞれ電車が乗り放題になる。東京・大阪間の普通切符は約US$80だから、US$246で7日間乗り放題のパスは本当にお得だ。でもこのパスは日本到着前に買わなくちゃならない。

ジャパンレールパスの路線以外は、日本国内で購入可能な1~3日間有効の地域バスで補完できる。僕は2日間有効の「スルットKANSAI」を買ったけど、大阪の地下鉄まで乗れて、これで関西地方をほとんど回れた。この類のパスはいろんな地方にあるよ。

忘れちゃいけないのは、田舎ではバスがほとんど走ってなくて、乗車料金もとっても高いってこと。田舎でチープに移動するなら、ヒッチハイクって方法もある。僕らは紀伊半島や日本アルプス、富士山でヒッチハイクしたけど車は問題なく止まってくれたよ。今度、世界の色んな場所での僕のヒッチハイク経験談を話そう。

– 一にプラン、二にプラン、日本の旅はとにかくプラン –

僕は長旅するとき、旅行中のプランを練るのが趣味。いつもは宿の予約はせず、目的地ではある程度余裕を持った滞在にするんだけど、日本ではジャパンレールパスの期間に合わせた綿密な旅程を立てて、宿の予約もしておかなくちゃいけない。日本人は皆事前に宿泊予約をするのが普通で、振りの客だと変な目で見られて宿泊代をふっかけられる。

– 日本で泊まる –

僕らはairbnb (空き部屋シェアサイト)で街中にいい宿を見つけた。大阪じゃ北野で一泊たったUS$37のシェアルームに泊まったよ。値段がお得なだけじゃなくて、いかにも日本人の住まいらしく部屋もまるで新築みたいだった。京都ではキッチン付きの小さなワンルームで、二人一泊US$60だった。もう一晩京都でゆっくりしようと宿を探したけど、結局適当なホテルが見つからなくて狭い部屋にUS$150も払ったよ。いい教訓になったので、次はBooking y Agodaみたいな旅行サイトでホテルを予約した。東京では「カウチサーフィン」のおかげで4泊タダで泊まれたよ。

日本には色んな種類の宿がある。僕らの旅のプランのひとつは、日本の伝統的な宿の「旅館」や寺の宿坊の逗留を体験するというもの。この手の宿は安くない(最低でも一人US$80)けど、二食付だし忘れがたい経験にもなる。

他にも日本ではカプセルホテルやラブホテルを使う手もある。カプセルホテルは荷物をロッカーに預けてから一様に並んだ棺桶みたいなカプセルの中で眠るホテル。ただし一番大きなカプセルでも一晩US$40から。ラブホテルはカップルしか泊まれないけど、従来のホテルに比べはるかに安い値段で夜の10時~11時から8時間眠ることができる。他には一泊US$20から泊まれるユースホステルもある。

– 食事 –

日本はハイレベルの料理が味わえるトップクラスのグルメ国。レストランではセットメニューがUS$8からUS$20で食べられる。でもこれはディナー向きのレストランで出される一番安いランチメニューだ。普通は熱いお茶がサービスで付いてくる。

他にも安く食事ができるさまざまな種類の食堂があるけど、中でもラーメン(麺、肉、野菜のスープ)屋、お好み焼き(塩味のパンケーキ)屋、焼き鳥(日本のアンティクーチョ)屋はUS$5~6で味わえるオススメの場所。最も経済的なのは、セブン・イレブンのようなコンビニで出来合いの弁当を買って電子レンジで温めてもらう方法。そうすれば一食US$3~4で賄える。

見ての通り、ありったけの財産を使わなくても日本旅行はできる。日本の文化やグルメを体験するにあたって多少のセンスはあった方がいいかも知れないけど、散財する必要はない。お金が無い人でも、1日US$40あればこの国を旅することは可能。日本への旅行を計画しているなら、ためらわずに質問してね。

(ソース: エル・コメルシオ / 筆者翻訳 )