メトロにて その2 

メトロ・カードに数回分のチャージをしてもらい、いざ改札へ。カードを読み取り機にかざして「ピッ」、で通過する←ひどい説明だな。無料乗車期間の時はひとつの改札で出入りできたはずなのに、今はそのほとんどが一方通行になっているようだった。

当時の証拠写真。人がちょうと出ようとしている真ん中の改札は、反対側(手前側)に赤いばってんが表示されている。でも、人が通過していない一番右側の改札は、マークが緑色のまま。もちろん一番左の改札のように、読み取り機が片方にしかない一方通行の改札もあったが。きっと両方向から通れるようにすると、お互い譲らず大変なことになるんだろう。車の運転を見れば容易に想像ができる。

土曜日の、しかも下り列車とあって車内は比較的空いていた。隣に立っていた男性が、自分の目の前の座席が空いたにも関わらず「セニョリータ、どうぞ」と席を譲ってくれるところはやっぱりペルー。

メトロは新しいだけにまだ落書きもなく、車内もきれい。偏見で申し訳ないが、乗っている人も思いのほか小奇麗でバスよりずっと快適だ。カードの購入に5ソレスかかるから、時間はあるけどお金はないという人はやっぱりバスなのだろうか。いや、朝夕の通勤ラッシュ時は物凄い混雑ぶりと聞くから、たまたまか。

新市街から南に行くにつれ、風景がどんどん殺伐としてくる。見ているだけで、気持ちがだんだんとささくれてくる様な気がする。砂山に張り付くように建てられた粗末な家々。地盤を固めたり補強しているようには見えず、今にも滑り落ちてきそうだ。

ちょっと大きな地震があったら、この辺りはどれほどの被害が出るだろう。日本国内の貧富の差は傍目には分かりにくいが、どうしようもない貧困が目の前に堂々と広がっているのがペルーだ。その迫力たるや凄まじい。自己主張する貧困。

さて、Villa El Salvador駅に到着。改札方面周辺には、これまた「なんで出れないんだー!」とたむろする人々が。うんうん、やってるね♪

ほらほら、あんたたちが騒いでいる間に、ちゃんと通過している人もいるでしょ。なんでかなー、どうしてかなー、よーく見てみようね、あと、すぐ怒るのもやめてね。それでも「なんでだー!」と騒いでいるので、なぜか私が教える羽目に。

>ビジャの駅を出て高架を降りたら、そこにはタクシー乗り場が。タクシー=モト(オート三輪)というところが風情があってよろしい。またその周辺に並んでいる屋台のメニューがチンチュリンとかの内臓系鉄板焼きというところも、あるべき正しい姿という感じだ。

いくつかのモトと交渉したら、他より0.5ソレス(約18円)安いのがいた。乗ろうとしたら、じーちゃんとばーちゃんが座席に座っていた。おぉ、モトも乗合ですか。

知らない町の知らない習慣を知るのは面白い。若造だったら絶対乗らないが、じじばばなのでかえって安心かと乗り込んだ。待ち合わせ場所で、取材先の人が待っていてくれた。